海外のオンラインカジノを利用しても処罰されない判例がでた

オンラインカジノを始めたいと思ったら、気になるのが法律問題だと思いますが、みなさんもご存知の通り、日本では法律で賭博が禁止されています。
そこでオンライン「カジノ」と聞くと、「日本でオンラインカジノをプレイすると違法になるのでは?」と思ってしまいますよね。
結論からいうと、今現在、日本でオンラインカジノをプレイすることは違法でも合法でもありません。
オンラインカジノを始めるなら、オンラインカジノと法律の関係については必ず理解しておくようにしましょう。

カジノがない日本では馴染みが薄いオンラインカジノ

海外ではカジノ合法国を中心に「国家運営ギャンブル」としての地位を築いている国が多くあります。

近年、オンラインカジノを合法化する国が増え続け、その国数は80ヵ国以上にも上ると言われており、カジノ合法国の数(132ヵ国)に迫る勢いがあります。

10年以上も前から多くの人に楽しまれているヨーロッパ各国、アメリカ合法州、カナダなどの経済大国、また国営でオンラインカジノを経営するスウェーデン、カジノ経営ライセンスを発行しているイギリス(マン島)やフィリピン、さらに本場カジノ企業がオンライン事業も手掛けるモナコなどがその例です。

オンラインカジノには法律がない?

違法でも合法もないとはどういうことかというと、実は今の日本にはオンラインカジノを裁く法律が存在しないのです。したがってはっきりと「違法にも合法にもできない」というのが今の状態です。

日本ではオンラインカジノがあまり知られていないどころか、本場カジノの合法化に向けた「カジノ法案」も実際の開業は2020年東京五輪・パラリンピック後になる見通しという現状ですから国の見解が示されていないのも当然でしょう。
ですからオンラインカジノは今現在、「法律のグレーゾーン」ということなのです。

オンラインカジノのプレイヤーが検挙された事件

2016年の春にスマートライブカジノというオンラインカジノでプレイをしていた3名が単純賭博罪で検挙という衝撃的なニュースが流れました。

2名が略式起訴に応じ、もう1人は不起訴処分という結果になりました。

不起訴処分【ふきそしょぶん】
検察官が公訴を提起(起訴)しない処分。捜査の結果,事件が罪ならぬか罪となる証明がない場合,公訴を提起する条件を欠く場合,起訴猶予にすべき場合などになされる。不起訴処分にしたときは,検察官はその旨を告訴人・告発人に知らせなければならず,これで検察審査会への審査申立てや準起訴手続の申立ても可能となる。

3名中2名は略式起訴に応じていますが、これは「法律上の妥当性を検討する前に罰金刑を受け入れてすましましょう」というものです。

略式起訴を拒んで戦った1人が不起訴処分ということはとてつもなく大きな意味を持っているといえます。言うまでもなく、不起訴は不処罰であり、何らの前科はつかない「おとがめなし」ということです。

これは、検察がオンラインカジノで賭けをして遊んだだけでは法律に問うことは難しいと判断した結果です。

海外で合法的に運営されているオンラインカジノを、日本から利用した場合に、罪に問われる事は無いという一つの判例となりました。

この裁判結果に対する見方は様々ですが、わざわざ逮捕したにもかかわらず不起訴に終わったということは、オンラインカジノが法律の対象外であるために有罪と断じることができなかったと取ることもできるでしょう。

この事件は多くのサイトで「逮捕された」と紹介されていますが、プレイヤーは全員逮捕されていません。在宅での取調べ等に応じただけです。

不起訴処分を勝ち取った津田弁護士の見解

本件の特徴は,当該賭博行為につき,海外で合法的なライセンスを得ている一方当事者である胴元を処罰することはできないところ、他方当事者であるユーザーを処罰しようとする点にある。
この点は従前、必要的共犯において一方当事者が不可罰である場合に他方当事者を処罰することができるのか。という論点に絡めて語られることが多かった。
しかし、真の問題点はここではないと私は考えていた。

賭博場開張図利罪と単純賭博罪の軽重は雲泥の差である。

賭博行為について,刑事責任のメインは開張者(胴元)が負うのであり、賭博者(客)が負う責任はある意味で付随的である。賭博犯の捜査は胴元の検挙を目的におこなうものであり、「賭博事犯の捜査実務」にもその旨記載がある。

そこには、些細な賭け麻雀を安易に検挙すべきでない旨の記載もある。胴元のいない賭博を安直に検挙することをいさめる趣旨である。

オンラインカジノは合法なのか、違法なのかの結論としては、結局のところ分からないというのが本当のところです。

オンラインカジノに関する法律がないことがそもそもの原因。刑法上の犯罪となる可能性は極めて少ない状況、グレーゾーンであるという事が言えるのではないでしょうか。

しかし、先に述べたとおり、2016年末にカジノを含む総合型リゾート施設(IR)の整備を推進する法案、「カジノ法案」が成立し、2018年の現在も様々な議論が国会で行われています。

カジノ法案が成立したということは、これからオンラインカジノ関連の法整備も行われる可能性は大いにあります。

オンラインカジノプレイヤーが今後注意すること

オンラインカジノが依然違法とも合法とも明記されていないグレーゾーンである事には変わりはありません。オンラインカジノで安全に楽しみたい方は以下の注意点を守って遊んで下さい。

  • 日本人だけをターゲットを絞ったテーブルが存在するカジノ等は極力避ける
  • 表示名とアカウント名が共通になっているようなカジノは極力避ける
  • カジノのチャットで個人が特定されるような情報・コメントは決して書き込まない
  • ブログやツイッターなどのSNS等でカジノのプレイ内容や戦果、プレイ画像等は決して書き込まない
  • 金額の履歴や収支の履歴などを明かさない
  • また、オンラインカジノは通常、運用元の政府の発行するライセンスのもと運用されています。ライセンスの認可は厳しく非合法的な組織の関与がないか、システムに不正、片寄りはないかなど毎年継続的に審査を受けます。
    ペイアウト率という払戻率も公開しなくてはいけません。運用元が非合法な組織だった場合、取り締まりの可能性が高まります。
    万が一、国内のサーバーにカジノがある場合、賭博罪における必要的共犯ないし対向犯が成立してしまいます。

    オンラインカジノを楽しむときは、そのライセンスと運用国もしっかり確認しましょう。

    おすすめの記事